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妊娠初期に知っておきたい出血の基礎知識 鮮血や茶色の出血は異常?

妊娠初期に出血があるととても不安になりますが、この時期に出血することはそれほど珍しいことではありません。

妊娠初期はさまざまな理由で出血しやすい時期であり中にはまったく心配のいらない出血もあります。一方で流産の兆候など危険な出血もあります。

今回は心配ない出血と危険な出血の見分け方、そして考えられる原因についてご紹介します。

妊娠初期の出血には様々な原因があります

妊娠初期に出血があると「赤ちゃんに何かあったら…」ととても不安になると思います。しかし実際は心配のいらない出血が多いのです。

出血のおもな原因は次のようなものがあります。

◆着床出血

おりものに茶色や薄いピンクが混ざる程度の少量の出血、まれに鮮血の場合もある
生理予定日頃に2・3日〜1週間程度続く

受精卵が子宮内膜に着床する際に内膜を傷つけることが原因で起こる出血です。

誰にでも起こるわけではありません。生理予定日頃に起こるため生理がきたと思う人も多いのですが、普段の生理よりも極めて少ない出血の場合は着床出血である可能性が高くなります。

妊娠したことによる生理的な現象ですので心配する必要はありません。

◆内診やエコーによる刺激による出血

下着に少量の血が付く程度の出血、腹痛はない。内診やエコーを受けた当日〜数日程度の間

病院で経膣エコーを受けた際に子宮内部に傷が付きそこから出血する場合があります。
少量ですぐに止まるようであれば問題ありません。

産婦人科によっては内診台の着替えスペースに生理用ナプキンが用意されていることからも内診後に出血しやすいことがわかります。

出血が続いたり量が増えていく場合は医師に相談しましょう。

◆子宮膣部びらんによる出血
おりものに混じる程度の少量の出血、おりものの量が増える、腹痛は伴わない

子宮膣部びらんとは、子宮口付近が赤くただれた状態のことをいいます。

ホルモンバランスの崩れなどによって刺激に敏感になっていて出血しやすい状態です。妊娠中に限らず不正出血の原因ともなります。

自然治癒も可能ですし症状が重い場合は薬による治療も必要ですが、胎児への影響はありません。

◆子宮頸管ポリープによる出血
おりものに血が混ざる程度の少量の出血、腹痛は伴わない

子宮頸管ポリープは子宮の入り口である子宮頚管部分にできる腫瘍で多くが良性です。粘膜の上皮細胞が増殖して作られます。

多くの場合痛みなどはありませんが性交や内診などちょっとした刺激で出血しやすくなります。出血しても胎児に影響はありません。

妊婦健診を受けていれば子宮頚管ポリープの有無はすぐにわかります。ポリープの場所や大きさにより妊娠に影響を与えると考えられる場合は妊娠中でも切除手術を行う場合があります。

◆肛門裂傷(切れ痔)による出血
トイレットペーパーに少量の鮮血が付く、排便時に痛みがある

妊娠中は便秘になりやすい時期です。硬くなった便が肛門を傷つけてしまうと出血が起こります。鮮血を見ると驚くかと思いますが肛門付近からの出血であれば肛門裂傷の可能性が高いです。

胎児に影響はありませんが放置すると慢性化してしまうため妊婦健診で相談してみましょう。妊婦さんに多い症状ですので恥ずかしがらなくても大丈夫です。

このように妊娠初期の出血にはさまざまな原因があります。

少量の出血で激しい腹痛を伴わない場合は心配いらないことがほとんどです。

出血すると流産の危険がある?

出血すると一番に思い浮かび不安になるのが流産との関係だと思います。

しかし妊娠初期は出血をしやすい時期であり出血したからと言って流産のサインということではなく、心配のいらない出血も多くあります。

それでは流産など危険な出血にはどのような特徴があるのでしょうか。

「鮮血が大量に出る」、「血の塊が出る」、「出血が継続する」、「激しい腹痛を伴う」ような場合はなんらかのトラブルの可能性がありますので注意が必要です。

鮮血は出血してまだあまり時間の経っていない新しい血というサインです。

今まだどこかで出血が続いている危険性があります。また茶色の出血の場合は内部に溜まっている古い血が外に出てきているので心配ないことが多いですが、続いたり痛みを伴う場合は胎児への影響が心配です。できるだけ早く医師の診察を受けましょう。

鮮血や腹痛を伴う場合は危険な出血の場合も!

危険な出血が見られた場合理由として次のような可能性が考えられます。

◆子宮外妊娠

片方の脇腹にチクチクとした強い痛み、少量の出血ピンク色のおりものが続きだんだん出血の量や腹痛が増す

子宮外妊娠とは子宮以外の場所に受精卵が着床する症状です。妊娠した女性の1〜2%に起き決して珍しい症状ではありません。

多くは卵管妊娠ですが、卵管は胎嚢が成長できる場所ではありません。妊娠7〜8週頃にだんだんと胎嚢が大きくなると卵管を突き破り激しい腹痛や大量出血などのショック症状を起こしてしまいます。

痛みを伴う場合もあればまったく自覚症状がないケースもありますので、卵管破裂などの重い症状を防ぐために早めに医師の診察を受けることが重要です。

妊娠検査薬では正常な妊娠かどうかまでは判断できず、子宮外妊娠の場合も陽性反応が出ます。子宮外妊娠の早期発見のため、検査薬で陽性が出た場合は生理予定日から2週間後くらいまでに産婦人科を受診しましょう。

◆絨毛膜下血腫

茶色い出血、鮮血でかなり大量に出血することもある、軽い腹痛やおなかの張りを伴う場合もある

子宮を包む絨毛膜という膜と子宮内膜の間に血の塊ができる症状で切迫流産の1つです。

子宮内膜に付着した受精卵は絨毛組織を内膜に伸ばし胎盤を作り始めますが、その際に子宮内膜の血管が傷つけられるなどして出血し血腫となります。

多くの場合出血の症状と、おはかの張りや軽い腹痛を感じます。自覚症状がない場合もあります。

絨毛膜下血腫と診断されても胎児の心拍が正常に確認できていれば自然に血の塊は吸収され妊娠継続にも問題ない場合がほとんどです。

血腫が大きい場合には流産の恐れや前置胎盤となるリスクも高まりますので管理入院をしたり安静指示をされることがあります。

◆胞状奇胎

持続して少量の出血がある、つわりの症状が強く出る

胞状奇胎とは、胎芽の一部である絨毛組織の異常によりぶどうのような水泡状の粒が子宮内に多数できる疾患です。

染色体異常が関係すると考えられており、残念ながら正常な胎児に成長することはできません。約500人に1人の割合で発症すると言われています。

この疾患にかかるとつわりの症状が強く出たり少量の出血が続いたりします。診断されるとできるだけ早く子宮内除去手術を行う必要があります。

◆切迫流産

鮮血で腹痛を伴うことが多い

流産の一歩手前の状態を「切迫流産」といいます。10人に1〜2人もの確率で起こると言われています。

切迫流産と診断されても赤ちゃんの心拍が確認できていれば、安静に過ごしたり適切に処置をすることで妊娠を継続できることが多くなります。できるだけ早く医師の指示を仰ぎましょう。

◆流産

鮮血や血の塊が出る、激しい腹痛が続く

出血の中で一番危険な症状が流産です。妊娠12週未満の早い時期で起こることが多く、ほとんどが受精卵の染色体異常が原因で残念ながら医療的処置で防ぐことができません。

中にはまったくの無症状で健診時に気づくこともあります。

大量の出血や激しい腹痛がある場合はできるだけ早く医師に相談しましょう。

以上のように危険な出血は強い痛みを伴ったり出血が長く続く場合が多くなっています。
このような場合はできるだけ早く産婦人科を受診しましょう。

妊娠初期の出血は大量の鮮血や激しい腹痛に注意!

妊娠初期の出血の原因や流産など危険な出血の見分け方についてご紹介しました。

ポイントをおさらいすると、

妊娠初期は出血しやすい時期であり出血したからといって即流産と考える必要はない
一時的な少量の出血で腹痛を伴わない場合は心配ない出血の可能性が高い
激しい腹痛を伴ったり大量の出血が続く場合はなんらかのトラブルのサインであるためできるだけ早く医師に相談する
ただでさえ不安の多い妊娠初期に出血があるととても心配になりますが、問題のない出血もたくさんあります。

しかし一方で、流産の兆候や子宮外妊娠など重大なトラブルのサインである危険性もありますので、自己判断せずに医師に相談して指示を仰ぎましょう。